秋田市の小・中学校適正配置~小・中学校の統廃合について

日本中で問題となっている少子化。秋田県の県都・秋田市でも少子化による児童・生徒の減少は深刻な問題です。
秋田市の児童生徒数は、今後15年で32.3%減少すると予想されています。児童生徒数の減少により、集団学習に制約が生じる・班活動やグループ分けに制約が生じる・多様な活躍の機会がない、一定規模の集団の中でしか身につかない社会性・問題解決能力があるなどとして、小中学校の数や場所を見直そうとうい検討が行われてきました。2008年3月に「秋田市の小・中学校の適正配置について」最初の提言書がまとめられ、2018年7・8月には7つの市民センターで説明会が開かれました。そこで出た意見も考慮しつつ、2019年3月「秋田市の小・中学校適正配置基本方針」がとりまとめられ、各地域で小中学校の統廃合を進めるための協議が本格的に始まりました。

現在、1学年1学級の小規模小学校は 中通・下北手・下新城・金足西の4校、複式学級は 大平・浜田・豊岩・下浜・上新城の5校。中学校で1学年1学級なのは、太平・下北手・豊岩・下浜の4校となっています。
基本方針では、小学校が現在の37校から25校で12校減、中学校が20校から14校で6校減となります。
くわしくは、秋田市のホームページでご確認ください。



小規模校はデメリットばかりなのか

統合による懸念は、地域と密着してきた学区を見直すことで地域とのコミュニティが崩壊しないか、通学距離が遠くなるなどです。
地域ごとの話し合いでは、デメリットとされていることは本当にデメリットだけなのか、今のままではいけないのかという質問が多く挙げられました。地域や父兄は現状を否定的にとらえていないのでしょう。
小規模校のメリットは、全員がすべての分野で力を出すことができること。いわゆる出来る子に活躍が偏りがちな大規模校に比べ、集団の中で埋没するリスクが減ります。また助け合わないと何もできないので、団結心が強くなる上、教員との距離も近くなります。活動の幅も広がります。あらゆる活動で、ひとりひとりが役割分担しないと学校がまわらないからです。部活動については、選択肢は減りますが、逆に試合に出られる確率が上がります。
複式学級については、自習時間増えて先生に教えてもらえる時間が減るし、先生の負担も大きくなるのはデメリットといえますが、一人一人にかけられる時間が多くなるというメリットもあります。
環境を選べない子ともたちは、与えられた場に対応します。小規模校では、年長の子どもたちは年少の子どもの面倒を見てリーダーシップも発揮し、小さい子たちも早くから自主性が育ちます。小規模だから社会性が身につかないというのは違うのではないでしょうか。

統廃合は、どちらかといえば大人の事情ではないでしょうか。学校数が多いと、修繕費や備品や人件費が膨らみます。税収も減るので統廃合は止むをえないと考えますが、小規模校や複式学級を否定する理屈をつける必要はないのにと思います。
余談ですが、自分は、小学校120人程度、中学校150人程度の学校で学びましたが、良いところしか思い出せません。

秋田市の人口構成

2015秋田市人口ピラミッド
2040秋田市人口ピラミッド

総務省 国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口、総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数を基に「GD Freak!」さまが作成したものを引用しています。

左側の図が2015年国勢調査の数字をもとにしたもの、右側が2040年の予測数字です。(スマホでは上下となります)
グラフ左側が男性、右側が女性です。未就労人口(0-15歳)・就労人口(16-65歳)・老齢人口(66歳以上)で色分けがされています・
もちろん人口も減るのですが、並べてみてよく分かるのは、2040年には就労人口と15歳以下の未就労人口が圧倒的に減ることです。一方寿命が長くなることで、高齢者人口は増えています。おそろしく頭でっかちのグラフとなっています。

人口問題と不動産のこと


日本は世界の中でみても、人口減・高齢化問題でトップを走ります。秋田県はその日本の中でも最先端を走っています。
秋田市でも、2018年1月現在の人口が約30.8万人・2040年が23.5万人で23.7%の減少します。生まれる子どもの数が減るだけでなく、高校卒業後秋田を出て、そのまま秋田に戻らない子どもたちも相当数います。社会減の問題です。グラフで、16-20歳が一気に減り、21-30位で徐々に回復しても元には戻りません。地方あるあるですが、出生減と社会減のダブルパンチです。各自治体が移住促進事業を行っていますが、その前に、その地で育った子どもたちが出ていかない、帰ってきてもらうのが大事だと思います。「戻りたくても戻れない」を減らすことです。

では最後に、不動産の動きはどうなっていくかです。今の状況が続けば、見通しは暗いです。
不動産を買うのは子育て世代が圧倒的に多い。年齢でいうと20代後半から50代前半くらいまででしょうか。

バブル後の地価下落の反動で、今は秋田市中心部の地価はゆるやかに上昇しています。しかし中心部は、人口密度が高い分人口減少数は大きくなります。便利で人も集まりますが、いずれは供給が需要を上回り、空き地・空家が増える可能性が大です。住宅の性能が高くなり、住宅そのものの寿命が延びています。中心部とはいえ、新築するために土地を購入する人はもっと減っていくでしょう。
結論としては、「使わないことが明らかな不動産は早めになんとかするのが正しい」です。今は地価が上昇している中心部であってもです。
まずはネットで基本的なことをいろいろ調べてみましょう。営業行為のための記事で必要以上にあおるものもあるので、違う業種の方が書いているものと比較する方がいいと思います。
気軽に査定などを依頼すると、営業をかけられてとんでもないことになると心配される方へ。今は、相手方が望まないしつこい営業は禁じられています。感じが悪かったらはっきり断ればよいのです。
2019.12.7

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