認知症は、不動産の売買の上でも、深刻な問題となっています。
なぜなら、不動産の所有者が認知症になった場合、売却が非常に困難となるからです。
弊社にご相談をいただいたケースです。
お父さん名義の土地建物に、お父さんご夫婦が住んいましたが、
お父さんがなくなり、相続が発生しました。
相続人は、同居していたお母さんとその息子さん。
息子さんは、親御さんとは離れた場所sに暮らしています。
しかし、相続登記をしないまま、お母さんお一人がその家に住み続けていました。
そのお母さんに認知症の症状が現れ、息子さんのお住まいの近くの施設に入りました。
息子さんから、空き家になったお母さんの住んでいた家を売りたいというご相談をうけました。
売却するためには、まず、相続の登記が必要です。
法定相続持分は、お母さん2分の1、息子さん2分の1です。
法定相続持分での相続登記はすんなりできますが
売却にあたっては、お母さんが「物件を誰々に売ります」という意思表示ができなければなりません。
認知症が進行していると、この意思表示ができないと判断されることが多いのです。
息子さんひとりの名義に登記することはできません。
この場合も、お母さんが「不動産は、息子ひとりの名義にする」という意思表示が必要なのです。
売却しようと思ったら、裁判所に申し立てて、「成年後見人」を選任することが必要となります。
この手続きには、手間も時間も費用もかかります。
こうならないためには、まず、相続登記は早めにすますこと。
誰の名義にするかは、売却した場合にかかる税金の問題も考慮しなければなりません。
ケースによって、ベターな選択肢は異なります。
誰を相続人にしたらいいのかについては、「誰に不動産を相続させるべきか」 をご覧ください。
認知症の問題は、長寿社会となった現代では、ごく普通に起こりうることです。
早めに、家族で方策を考えておきましょう。
似たようなケースでお困りの方は、ご相談ください。
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