利用しない不動産(中古住宅)は売るべきか・貸すべきか

利用していない中古住宅があった場合、どうしたらいいでしょうか?
選択肢は、大きく3通り。①貸す②売る③そのままにしておく。

所有していれば、固定資産税がかかります。近所に迷惑にならないよう、最低限の維持管理が必要です。
それぞれのメリット。デメリットを考えましょう。

貸した場合 メリットとリスク

メリットは、収入があること、副次的には、入居者が維持管理をしてくれることです。

リスク 建物や器機の修繕費がかかることと、空家になる可能性があること。

ほかにも、建物の価値が減る(償却する)、市況によっては地価が下落するということがあります。
不動産価格を査定する場合、木造住宅の評価は20年で資産価値が1割になるという計算をします。さすがに20年は・・・という場合、25年で1割という計算をしています。25年で計算すると、毎年3.6%ずつ目減りします。
地方都市は人口が減って地価も下落しているところが大部分です。秋田県は人口減少率全国一位で、県庁所在地の秋田市でも19年連続地価が下落しています。(場所によって下落率に差はあります。)
シミュレーションをしてみましょう。今の土地価格1000万円に2000万円で建築した家を賃貸するとして計算します。
この家を月8万円で貸すと、年収96万円・5年貸すと480万円収入があります。
では、不動産としての価値はどれだけ下がるでしょう。建物の価値は1年当たり72万円(2000万円×3.6%)5年で360万円下がります。土地が1年2%ずつ下がり続けるとすれば、5年間の目減り分は94万円となります。土地建物
合わせてマイナスは454万円となります。家賃収入と(今売れる値段ー5年後に売れる値段)の差は26万円しかありません。固定資産税でプラスマイナスゼロ、不動産管理料の負担があればマイナスになります。修繕費の負担もあるかもしれません。
これらの計算は前提となる数字によって変わってきます。家賃や地価の変動率によって変わります。

賃貸の一番のリスク

賃貸でなにより困るのは、事情が変わってすぐ売らなければならないときです。入居者には居住権があり、急には出てもらません。通常契約書では通告から6か月以内に出なければならないとなっていますが、原則強制はできません。至急現金化したいとなったら、退去費用を負担することも覚悟してください。
売る場合は、固定資産が現金に変わるだけで、リスクはありません。売却が困難という可能性はありますが、一般的には値段次第です。
賃貸は家賃収入がありますが、年々の償却を考えると思ったほどプラスになりません。マイナスになる危険もあります。結論は、貸すよりは売った方がいいケースが多いのではということです。

売るより貸す方がいい場合は、①借入れが残っていて、売った代金で全額返済できない場合②売るのは困難だが賃貸ならできそう③高く貸せる 場合です。

そのままにしておくのはNG!

空き家にしておくと、近隣に迷惑をかけない程度に維持管理が必要です。草を刈ったり、雪国なら屋根の雪下ろしも必要です。固定資産税の負担もあります。放火などの危険も増えているようです。貸さない・売らないでそのままにしておくという選択をしていいのは、近い将来使う目途がある場合だけです。中には、誰も買ってくれないだろうという物件もありますが、隣近所でもらってくれる人がいたら、そうしましょう。

親が住んでいた家は、故人の思いが詰まっているので、計算ずくで処分できるものではないというご意見もあると思います。片付けが面倒だとか、相続でもめるなどのケースもあるでしょう。でもそれは、問題の先送りにすぎません。いつかは手をつけなければいけません。
困ったらご相談ください。どこから手をつけたらいいのかわからない方もご相談ください。きっとよいアドバイスができると思います。

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