「ヘンゼルとグレーテルのお菓子のいえ」の不動産広告を考える

NHKラジオ第一の朝の番組「すっぴん」が私のお気に入り。通勤時間10分ではほんの一部しか聴かれないのが残念ですが。その中でも金曜の「源ちゃん(高橋源次郎)の国語講座」と木曜の「麒麟川島明の日本一早い!大喜利」が笑えます。
9月9日金曜日の「源ちゃんの国語講座」は、『642文章練習帳』を取り上げていました。この本は、プロのライターが厳選した642のお題に沿って文章を書くうち、文章がうまくなる(かも)というものらしい。そのお題が奇妙キテレツ系で笑えるのですが、その中に「おとぎ話に出てくる家(ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家、青髭公の城など)が売りに出されるとして、その不動産広告を書いてください」というお題があるそうです。番組の中では藤井綾子アナが、「シンデレラ城」のみごとな不動産広告を発表していました。

これは、不動産屋としては面白いテーマだと思ったので、ひとつ「ヘンゼルとグレーテル」の不動産広告を考えてみます。
「ヘンゼルとグレーテル」はグリム童話にというかおとぎ話にありがちな”恐~い”話です。貧しい親に口減らしのため森の中に捨てられた兄妹のヘンゼルとグレーテル。お菓子の家に誘い込まれてその家の主の魔女のおばあさんに食い殺されそうになる。その魔手をかいくぐり、最終的に魔女を火の燃えたかまどに押し込んで焼き殺して逃げ帰るというお話。(実際はもっと恐い話しらしい)
さて、この物件は明らかに事故物件。それも「殺人事件」の現場という、最悪の物件。場所も、人がなかなか立ち入らないであろう森の奥。売買ではあまりにも自信がないので、賃貸物件ということで。

かのヘンゼルとグレーテルの舞台となったお菓子の家。携帯の電波も届かない森の中の物件です。借金の取り立てに追われてる、世間の注目を浴びすぎたなどの事情で一時的に世間との関係を断ちたい方におすすめ。かつて殺人事件があった家ですが、事件からは100年以上が経過しております。魔女が焼き殺されたかまどは撤去してプロパンガスの調理台を設置しました。物件はお菓子でできていますが、食べるのは厳禁!命の保証はできません。万が一お食べになった場合は、現状復帰委義務があります。
おいでの際は、ところどころに白い小石を置いて帰りの目印としていただく必要あり。もちろん賃料は格安です。当然ですが、突っ込みどころ満載です。電気はどうなっているとかなど聞かないでください。明かり等は自己調達してください。あくまで短期の避難物件としてお考えください。

いや~、試してみると難しい。どう考えても、褒められるポイントがない。貧困な発想力を嘆いてしまいます。

家売る女 のこと

「私に売れない家はない」で高視聴率を獲得したドラマ「家売る女」の三軒家万智なら、どういう人にこの家をすすめるのでしょう。いくら大昔とはいえ、凶悪殺人事件のあった森の奥の一軒家。年に1度、物好きな知人を招いて「納涼パーティー」をしたい人?誰にも会いたくない人?いずれにしても、コアなお客様になりそうです。うちにも、三軒家万智が欲しいと思います。シリーズ化されたら、また絶対見ます。