空き家問題④空き家バンク とは

近年、自治体で「空家バンク」への取り組みが増えています

空き家バンクとは、移住希望者と空き家の売却希望者(または貸し出し希望者)をマッチングするシステムのことです。
人口減と空き家の増加に悩む地方自治体の取り組みが増加しています。

秋田県でも、現在8市町村が空き家バンク制度を設けています。
秋田市も、今年3月から都市整備部住宅整備課が担当窓口になり、空き家バンク制度への取り組みを開始しました。
制度の概要は、空き家の所有者から物件(売買希望または賃貸希望)の登録を受けWebに物件概要を公開。
移住希望者から問合せがあった場合、その仲立ちをする というのが制度の概要です。
最終的には、所有者と移住希望者が直接条件交渉をしてもら自治体と、宅建業者が間に入ることを条件にしている自治体があります。
移住が決まれば、リフォーム費用の補助をする自治体も多いようです。
ちなみに秋田市の場合はこんな感じです→秋田市の空き家バンク制度

空き家バンクシステムの問題点

まず、移住を検討している人に比べ物件数が圧倒的に少ないという悩みを抱えた自治体も多いようです。
秋田市も3月に始まったばかりなので、売買希望・賃貸希望を併せて3件の登録しかありません。
取り組みにも温度差があるようです。
HPや支援制度が充実している自治体もあれば、HPはあるけど「とりあえずやっているんじゃない?」的なところもあります。
秋田県の空き家バンクのHPでも、自治体によってはリンク先が無くなっていて、取り組みを止めたと思われる自治体もありました。

「空き家バンク」には、利用せずに荒れてしまう空き家問題の解決と人口減少の歯止めという2つの側面があります。
空き家でも居住するための安全は確保されていることが条件ですから、長年放置されていた物件は手直し費用がかさむことも考えられます。秋田市の場合、仲介する不動産業者がいないと登録ができないとなっています。郊外の古い家で価格が低い物件は不動産業者に敬遠される可能性もあります。
「田舎に暮らしたい」という人にとっては、空き家バンクは好い制度かもしれません。実際、多くの移住者を受け入れている自治体もあるようです。だからといって、移住希望者の全部が全部、空き家バンクで家を探すわけではないでしょう。今は、Webで全国どこの物件でも調べることが出来ます。
我が町の魅力を自治体自らが十分に知ってそれを発信できないと、制度があっても機能しないということになりかねません。民間企業には「費用対効果」を求められない事業はありません。他の自治体がやっているから的で半端に税金をかけて成果が上がらない取り組みなら、いっそ止めてしまった方がいいかもしれません。
人口減が止まらないと、移住先の空き家は減るけれど、移住元には空き家が生まれる可能性があります。全国で人間の取り合いをするのが、「空き家バンク」の別の側面かもしれません。