このごろ中古住宅販売で競争相手になってしまうのは?

2015.2.27 選択肢が多様化している

春になったのに、不動産物件広告に対する問い合わせが例年に比べ著しく鈍いと感じる。
お手頃価格と思って販売し、「さばくのが困難なほど」の問い合わせを期待していたものが、それほどでもなかったりする。

ここ数年、中古住宅は「ひっぱりだこ」だった。
地価は下がっても景気が悪く年収が上がらず、若い人たちには新築よりお得感のある中古住宅が人気だった。
原因としては、景気が良くなって新築に向かう人が増えた?そもそも意欲があって能力(資力・収入)のある人はだいたい不動産を所有してしまった?などが考えられる。
もうひとつは、「新築住宅」との競合かもしれない。
2000万円前後で新築一戸建てが購入できるとなれば、低金利の今、長期のローンを組めば返済は家賃並みで済む。
築後10年の中古住宅を25年ローンで購入するのと新築物件を35年ローンで購入する返済金額が同じなら、新築に分がある気がする。

ただ、注意してほしいのが、返済途中で売らなければいけなくなった場合のこと。
人口減少により、どんどん地価は安くなっている。つまり、利便性のある中心部もどんどん地価が下がり求めやすくなる。
必要十分なゆったりとした大きさの土地も買いやすくなる。住宅の大きさも、中古住宅なら大き目な物件でも安く手に入る。

とういうことが起きるか。
郊外の物件は、どんどん人気がなくなる。狭小土地と小さな建物で我慢する必要がない。
また、35年のローンを組めば、10年ぐらい返しても物件の償却にローンの減り具合が付いていけない。よって安くも売れない。
要は、家賃を払うつもりでローンを返済するにしても、10年後・20年後購入しようとする物件にどれだけの価値が残るかも吟味して物件を比較してほしいということ。

住宅の価値は、「快適に暮らす」ということなので、そこまで考える必要がないと考える人もいらっしゃるでしょうが、事情が変わること「よくある」ことです。
考え抜いて出した結論なら、将来起こることについてある程度の想定ができます。後悔も少なくて済むでしょう。
売る側としては、考えすぎるお客様よりお任せいただけるお客様の方が正直楽ですが、いろいろなケースを想定してみるのは、不動産のように簡単に買い替えできないものを買うときは大事です。
石橋を叩き過ぎて壊れるまで渡れないのでは困ります。本当にほしいのなら、情報を集めて比較してある程度納得できたなら「えいや~」が大事です。
考えて過ぎているうちに、他の誰かが買ってしまうかもしれません。人気物件ならなおさらです。

以上のことは、秋田市のような人口減が止まらない地方の都市の現状です。
地価が高い都会ではまだまだ、中古とはいえ中心部に大きな不動産を求めることは困難でしょうが。