空き家問題と人口減少(2014.12.19)

不動産の売却にも影を落とす人口減少

今月になって当社でも本格的に取り組みを始めた、「空き家管理」。子育てのために建てた新築住宅だったのが、子供が独立して家を離れ、残った親が亡くなり空き家になってしまう。子供は自分の家もあるし新たな生活の拠点もあるので戻ってこられない。実家が遠ければ管理もままならなくなる。この商売は、核家族化と人口減少が生み出した現象を商売にしているという側面がある。
どの商売にとっても、人口減少が深刻な問題となっている。買ってくれる人がいないのだから、売り上げが落ちるのは必然だから。不動産もそこに住む人がいるから需要もある。土地や中古住宅の売買も成立する。当然ながら人が住まなくなったような場所では不動産が売れなくなり、価格が下落するだけならまだしも値がつかないとういことも珍しくない。

消滅可能性都市とコンパクトシティ

先日、弊社会社主催のセミナーで、講師の方が「消滅可能性都市」について話されていた。増田寛也元総務大臣を座長とする「日本創生会議」の試算によるとこのままの人口移動傾向が続いた場合、2040年の時点で日本の半数の自治体で、20~30台の若年女性が半減。秋田県では、大潟村以外すべてが該当するとのこと。
さて、ここで話は、「女性が早く結婚して子供を産んで」ということになる。秋田県でも、「婚活」に自治体が大いに肩入れをしている。一方で、女性を積極的に活用していく。しかし今のままでは女性にばかり負担を求めているという意見を目にした。確かに、男性には出産ができないし、男性は育休も簡単に取れない社会だから、女性がうんざりするのは仕方がない。男性が、女性をサポートするのが当然という意識改革ができないと、頓挫するのは必然だと思う。
人口が減り税収も減ったら、公的サービスも小さなサービスにできるところはしていくとかしないと自治体は立ち行かなくなる。暴論かもしれないが、限界集落は集約化すれば経費は少なくなる。除雪も、豪雪で孤立してしまうような集落には、冬期間は避難してもらうとか。地域によっては建て替えを制限するというような施策も必要になるかもしれない。不動産を売りたいとなっても価値はゼロになってしまい、個人の財産権との兼ね合いで難しい問題となるが。いずれ人口を増やす対策とともに、少なくなっても対応できるコンパクトシティ構想を促進することも併せて考える必要があるだろう。