「まちおこし」 って、どんなこと?

2012.9.28 あゆかわのぼる の講演を聴きました。

行く予定だった人が都合が悪くなり、急遽ピンチヒッターで行きました。
秋田の県民性は、「俺もしないから、お前もするな」には、結構うけました。
もっとも、出る杭打たれるは、秋田ばかりのことでもない気もしますが。

地方はすたれる一方で、「まちおこし」という言葉が飛びかいます。
「まちおこし」というと、観光客を呼び込んだり、イベントをしたり
なんか、外からの力で活性化しようという傾向が強い気がします。

でも、まずは、そこに住む人たちが、そこに暮らしていて豊かにならないと
ほんとうの「まちおこし」にはならない気がするのです。
雇用があって、若い人が働く場があって、子供もたくさんいて、老人も元気で・・・
まず、人が元気でないとと思います。

地域振興というと、すぐ行政は、いわゆる「ハコモノ」を建てたがる傾向があると思います。
まず「入れ物」ありき で、その利用の将来展望は、結構いい加減だという印象があります。
作ったはいいが、十分な利用が出来ず、お荷物になる「ハコモノ」がいかに多いことか・・・
「ハコモノ」は、減価償却するし、維持費もかかる、人も置かなければいけない
使う人がいなければ、負の財産にすぎません。
不要だからと言って簡単に取り壊しも出来ず、恐ろしいほど安価に民間に払い下げる事例もあります。
ここでも、数字のマジックが使われるようです。
年間何万人の利用が見込めて、入館料がこれくらいだからペイするという試算が
全くのお手盛りだというお粗末な施設がどれだけ多いか。

今日の話の中でも、秋田市の美術館について語られていました。
いま、中心市街地に、安藤忠雄設計の美術館が鳴り物入りでオープンしました。
有名な安藤氏の設計ですから、随分割高な建物でしょう。
それなのに、美術品の展示にはまだ不向きな状況なので、あと1年以上は美術館として利用できないとか。
徒歩圏内には、他に2つの美術館があります。
横手市には、立派な県立美術館もあります。
(県都から遠すぎて、美術がまあまあ好きな私でも、1年1回利用するかどうかですが。)
どう住み分けて行くのでしょう。

産学連携が言われて久しく、秋田県でも秋田大学と企業との連携もなされているようですが
もう一歩も二歩も進めて、大きな敷地にでんとビルでも作って、いろいろな企業に入ってもらい
お互いの技術を利用できるような場を作るとか、
日本海側の利点を活かし、ロシア向けの製品を作る工業団地を整備するとか
ITとかの頭で勝負できる、運送を伴わない会社をまとめて誘致するとか
秋田から出て行った人材を、なんとか引き戻す方策を考え税金を投下する方が
税金が活きると思うのですが。

あとは、人口を増やすことでしょうか。
子供を生みやすい、子供を育てやすい、優秀な子供が育つ
そのような方策も、まちの活性化には有効ではないでしょうか?
収入がないと子育てが出来ないと、若い人たちがあきらめているとしたら
地域で子供を育てる手厚い行政することも、
真剣に智恵を出そうとしたら可能だと思うのです。

お金がないから頭を使おう、智恵を出そう。
秋田の人は、「考えるすべを知らない」と講演の中で話されていましたが、
知らないなら学べばいいし、知っている人に教わってもいい。

秋田は、天然資源や米などに恵まれ、だまっていても買いに来てくれた。
かつて「日本のチベット」(チベットに失礼ですが)と揶揄された秋田の隣県で生まれ育た自分は
どうも秋田の人たちの思考回路になじめない事が未だに多いのですが
なんか納得がいった日でした。
米が採れないから、気候に合って商品価値の高いものを作るのが大命題だった故郷の人たちは
いろいろ試行錯誤するのが普通だったと思えます。
秋田も、「がんばろう秋田」です。