商売はボランティアではない ということ

2012.8.4 ますます商売は難しくなります

仲介で不動産物件(土地・中古等)を売買した場合、私たち不動産業者は、仲介手数料をいただきます。
売主からと買主から、それぞれ売買価格に対して一定割合の手数料です。
買主は他の不動産屋さんが見つけてくれることもあり、その場合売主からの仲介料だけが収入です。
(業界用語で、「片手」と言います。)
自分で買主も見つけると両方から手数料を頂戴でき、「両手」仲介と言います。

売り出す前に売主さんと協議して販売価格を決めて
更に、買主さんとも協議して最終的に価格は決まります。
売買代金は、売り買いお互いに協議して決められますが、手数料は国交省が割合を決めています。
1000万円の物件なら36万円、200万円なら10万円です。

販売するためには、いろいろな経費がかかります。
人件費は別としても、登記簿等を調べる、水道局で図面をとる、看板を設置する、広告を出す
このあたりは実費です。
調査費が3000円くらい、看板を作成して設置すると2万円くらい、
広告は媒体や大きさによりますが2回出して6万円くらい、
その他、HPの運営経費や通信費、交通費等を考えると、最低10万円くらいは必要経費としてかかります。
200万円だと、人件費は出ません。ただ働きです。
ということは、200万円以下の物件は、ボランティアになりかねません。
つまり、商売としては取り扱うことができない物件ということです。

秋田市でもそういった物件はありますし、秋田市以外であればなおさらです。
縁故ででもなければ、売却を頼まれてくれる業者もないということが起こり得ます。
200万円でも2000万円でも、調査から販売まで、やることはほとんど変わりません。
今の定率方式ではなく、最低保障部分がある手数料計算方式にしてほしいと思います。
例えば、10万円は最低経費プラス一定割合の手数料にするとか。

金は天下のまわりもの。
みんなが出し惜しみすると、自分に返ってくる。
今は、そうして皆がツケを払っているような状態なのでしょうね。